アラフォー小児科医のインデックス投資

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インデックス投資・小児科医として・父としてのことを書いています。

勤務医の働き方改革

勤務医に対しても、働き方改革(時間外労働の制限)が叫ばれてきています。

 

時間外労働は、暫定的に年間960時間までという案もでてきているようです。

 

一月にすると80時間/月、いわゆる過労死ラインと言われている時間・・・。

 

時間外労働にも、その労働時間によって大変さは様々。

 

一番は睡眠時間がある程度確保されているかどうかなのです。

 

例えば、勤務時間が17時までで、その後患者様の治療で21時まで残業(4時間残業)することが、ほぼ毎日続いても、帰宅後翌朝まで呼び出しがなければ、睡眠時間が確保されます。こういった時間での時間外労働はそれほど苦になりません!

 

問題なのは、睡眠時間が確保できない時間外労働が多いのが医師、特に救急医療・集中治療・緊急手術の現場で働く勤務医です。

 

当直で夜中もほとんど眠れない、当直じゃなくても頻繁にオンコールで夜中に病院へかけつけるなど、そういった環境で勤務している医師が最も大変なのです。同じ80時間の時間外労働でも睡眠時間が確保されていれば、結構疲労度合は軽減されます。睡眠時間が制限される当直と夜中の呼び出しが大変。夜中2時に呼び出しがあり、患者様の処置や治療を2時間(午前4時ごろに)で一息つける状態となっても、その後なかなか眠れません。患者様の処置をするには集中力を高めています。気持ちが高ぶり、処置が終わってもそうは簡単に眠れず、結局は朝までほぼ眠らずにその日の夜まで働き続けるのです。

 

こういった勤務医の勤務状況(責任感)で、救急医療や集中治療が成り立っているのです。医療の質を保ったまま時間外労働を減らすのは、救急医療や集中治療の現場では現状は困難、特に医師不足で悩む地方では!

 

こういった状況でも医師としての基本給は、当直や時間外労働がほぼない診療科と差がないのです。

最近では、ますますこういった時間外労働が当たり前である診療科には、若手医師がやってきません。

 

本当に救急医療、集中治療、緊急手術(術後の管理も含め)で働く勤務医師の負担を軽減するには、抜本的な改革が必要です。しかし、こういった時間外労働について決める委員は、現場の状況をしらない人たちによってきめられてしまうことが多いのです。

 

このままの状況がつづけば、現在の医療レベルを保つことが困難になる時代がくるかもしれません。